旅先で出逢った2人が今度は一緒に旅に出た!
夫婦3年目・世界2人旅のキロク

Vol.13 モーレ・ポブラーノを知っていますか?

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MEMO

・ADOバス

メキシコシティー⇨プエブラ237ペソ/1人(≒1,600円)

・モーレ・ポブラーノ140ペソ(≒ 960円)

・トマトとエッグの何かであるとだけ解読できたメニュー120ペソ(≒ 830円)

6月15日

ー煮えたぎる身体ー
昨日の夜から、異常事態だった。

ベッドの中でみるみる熱が上がるのが分かる。「まずい、今はダメだ、耐えろ」と身体に言い聞かせては大量の水を飲み、着れるだけ着て寝た。汗だくになりながら寝ては覚めを繰り返して、翌朝にはなんとか動ける程度には復活した。

この日はメキシコシティからプエブラへの移動日。Airbnbで出会ったメキシコ人のアルマちゃんが「私の故郷のプエブラ最高なの!メキシコ料理の発祥の地って呼ばれてて、ここで食べるモーレは絶対食べなきゃ!!もし行くなら一緒にゴハン食べよう!!!」と熱烈に誘ってくれたので、食い意地の塊である私の希望でプエブラ行きを決めた。

なのに。それなのに。

ー煮えたぎる心ー
なんとかプエブラには着いたものの、身体がだるくてどうにも動けない。アルマちゃんのランチはキャンセルし、宿で休む旨ショウタに伝えると、途端に不機嫌に。

一人で出かけるのがイヤ(寂しい)らしい。

いや、分かりますよ。私だって行けるもんなら行きたいですよ。

身体の熱が心に着火してフツフツとに煮えてくる。普段なら可愛げと取れる言動だとしても、今は全てが着火剤。チャッカマンよ、私を一人にしてくれ。休ませろ。

無事お一人様になったところで、ひたすらに着膨れて爆睡。私の不調は、たいてい思いっきり寝れば治る。

夕方にはショウタと合流し、アルマちゃんと行くはずだったレストランへ。

ー煮えたぎる食欲ー
やってきたのはComalという二階建てのレストラン。底抜けに明るいメキシコ色で溢れる店内に足を踏み入れれば、脳みそにテキーラを浴びたような恍惚感が襲う。心も胃袋も踊る。

食欲全開でメニューを開くも、全てスペイン語なのでよく分からない。必ず食べると決めていた「モーレ」の写真を店員さんに見せ、さらにトマトとエッグの何かであるとだけ解読できたメニューをオーダーした。

間もなく、付け合わせのトルティーヤチップスと4種類のソースが運ばれてきた。旨い、酸っぱい、ちょい辛、激辛の4種類。激辛以外の3つをチップスにたんまりと乗せ、口へ運ぶ。食べ始めると一気食いのクセがある私の手は止まらない。ランチを摂り損ねたかわいそうな胃袋は、食べ物を渇望していた。

ー衝撃のモーレ・ポブラーノー
そして、ついに目の前に現れたモーレ・ポブラーノ。

見た瞬間、私の食欲の神様がきょとん顔したのが分かった。
焦茶色のソースに、チキンが丸っと溺れている。
それ以外付け合わせらしきものは見当たらず、彩りもゼロ。
どうやって食べるのか、食べて良いものなのか、食欲の神様を困惑させたままソースをひとなめした。

甘くて、辛くて、苦くて、まろったい。

ストライクともボールとも取れず、私の舌はその場に立ち尽くし最初の速球を見送った。
これまでの「美味い・不味い」の判断基準では測れない味があるなんて。やっぱり、世界は広かったんだ!再度バッターボックスに立ち、次はチキンとソースを絡め口に運んでみる。

今度は、打った。抜けた。一塁まで走った。

モーレ・ポブラーノ投手との熱戦は一口ごとに熱を帯びた。同じ味を食べているはずなのに、毎回変化球が飛んでくる。使われたことのない味覚と細胞が勢いよく目覚めたのを感じる。

チョコレート、唐辛子、シナモン、ニンニクetc、etcを混ぜ合わせたという魅惑のモーレは、間違いなく今日のMVPだ。感動を、ありがとう。

熱戦を繰り広げた私達はお互いを抱きしめながら健闘を讃え合い、モーレはすっかりこの身に吸収されていった。

身も心も熱い、熱い、一日だった。

KANO LABOは2022年6月に世界2人旅に出発しました✈︎
スタート地点はメキシコ🇲🇽
旅の様子はInstagram(@kano_labo)でも日々更新中!
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